家庭の"捨てる油"が、沖縄の物流を動かす力に。従業員参加型のサーキュラーエコノミーを始動 ~パートナー3社と連携し、地域内資源循環モデルを構築~

2026年3月31日
琉球海運株式会社
郵船商事株式会社
琉海ロジスティクス株式会社
総合物流企業の琉球海運株式会社(本社:沖縄県那覇市、代表取締役社長:比嘉茂)は、従業員の家庭から排出される廃食油を回収して、糸満市内で精製したバイオディーゼル混合軽油(以下、B5軽油)を郵船商事株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:梅原慎史)から調達し、琉球海運グループの琉海ロジスティクス株式会社(本社:沖縄県うるま市、代表取締役社長:永山実)所有の配送トラックの燃料として再利用する県内初となる「サーキュラーエコノミー(循環経済)」を2026年3月より開始しました。
本取り組みは、従業員の家庭で使い終えた天ぷら油などが、自らの職場のトラックを動かす燃料に生まれ変わる地域内資源循環とCO2排出削減を実現するものです。
最大の特長は、燃料の「入口」(廃食油の回収)と「出口」(トラックへの給油)をグループ内で完結できる点にあります。沖縄の豊かな自然環境を守りながら持続可能な物流を目指す、地域内資源循環に基づく先進的なサーキュラーエコノミーモデルです。
取り組みの背景
飲食店などから排出される事業系廃食油のリサイクルは進む一方、一般家庭から出る廃食油の多くは回収されず廃棄(可燃ゴミとしての焼却など)されており、環境への負荷が課題となっています。 一方で、社会インフラである物流事業は、脱炭素社会の実現に向けた継続的な対応が求められています。沖縄の経済と暮らしを支える企業グループとして、最も身近な存在である従業員の家庭に眠る未利用資源「廃食油」を活用する本プロジェクトを発足しました。
取り組みの概要
1. 琉球海運および琉海ロジスティクスの従業員が、家庭から出る廃食油を専用ボトルに入れ、各社に設置された回収ボックスに投入。
2. B5軽油の供給事業者である郵船商事の手配により協力会社の工場(糸満市:株式会社アトラス)が廃食油を収集し、精製したバイオディーゼル燃料(B100)を
軽油と混合(5%)してB5軽油として供給。
3. 琉海ロジスティクスが郵船商事からB5軽油を購入。
4. B5軽油を郵船商事の手配で物流センター(琉球ロジスティクスセンター)構内に設置した給油タンクに定期的に補給。
5. 当該タンクからB5軽油を琉海ロジスティクスの配送トラックに給油して運行。
本プロジェクトの4つの特長
1. 入口から出口まで「見える」完全循環モデル
従業員自身が持ち寄った廃食油が、自らの職場のトラックの燃料となる──。
参加者の環境意識の向上と行動変容を促す「顔の見える循環」を実現します。
2. 地域循環型サーキュラーエコノミーの実践
CO2削減の「量」だけでなく、「仕組み」を地域につくることを重視。
沖縄県内で廃食油の回収から精製・利用までを完結させることで、地域経済にも貢献します。
3. 業種を超えた3社パートナーシップ
旗振り役の琉球海運、燃料供給を担う郵船商事(製造は沖縄県内工場)、実運用の琉海ロジスティクス、──異なる専門性を持つ3社が連携した、沖縄ならでは
の協業モデルです。
4. SDGsへの具体的な貢献
本プロジェクトは、SDGsの以下の目標に貢献します。

目標7 (エネルギーをみんなに そしてクリーンに)
目標11(住み続けられるまちづくりを)
目標12(つくる責任 つかう責任)
目標13(気候変動に具体的な対策を)
目標17(パートナーシップで目標を達成しよう)
実施概要
・運用開始日:2026年3月より
・回収・運用拠点:琉球ロジスティクスセンター、琉球海運本社
・廃食油回収者:200名から300名を対象(琉球海運グループの従業員)
・対象車両: 琉海ロジスティクス所有の中型(4トン)配送トラック1台
・B5軽油使用量:年間で10,800ℓ(月間で約900ℓ)
・廃食油回収量:最大で 年間300ℓの家庭系廃食油の回収を想定。
当該廃食油から歩留まりを勘案して約240ℓのB100を精製、これを軽油に5%混合したB5軽油は約4,800ℓに相当。自社回収由来の廃食油を使用したB5軽油は
対象車両の消費する燃料の最大で約4割強に相当。
・CO2削減効果:年間約1.4t-CO2排出量削減
年間使用見込みのB5軽油10,800ℓのうち、混合されるバイオディーゼル分5%(540ℓ)を軽油代替分として、軽油の排出係数(環境省、約2.6kg-CO2/ℓ)で
換算。
・安全性・適合性:B5軽油は、軽油規格(JIS K 2204)の品質要件を満たす燃料として供給元の品質基準に基づき、関係法令に則り適切に管理。
対象車両については、正規ディーラー経由で対象車両型式のB5軽油使用可否を確認済しています。
「始めること」の価値 ― 小さな一歩が未来を変える
トラック1台の導入によるCO2削減効果(年間約1.4t-CO2)は、琉球海運グループ全体の排出量から見れば決して大きな数字ではありません。しかし、本プロジェクトの本質は削減量の「大きさ」ではなく、地域の中で資源が循環する「仕組みそのもの」を、自社グループ内で主体的に作り上げたことにあります。
従業員一人ひとりが日々の暮らしの中で環境活動を実践し、その成果が目に見える形で事業に還元される。この小さな循環を確かな一歩として、将来的には琉球海運グループ全体、そして地域社会へと広げていくための重要な起点と位置づけています。
今後の展望
まずは物流センターを起点に、回収量・運用状況・CO2削減効果等を検証し、改善を重ねながら運用の安定化を目指します。
将来的には、琉球海運グループ各社(トラック運送、物流センター、港湾運送)への展開や、地域との連携拡大も視野に、持続可能な物流ネットワークの構築を目指します。
資料


<お問い合わせ先>
- 琉球海運株式会社
グループ戦略室
Tel : 098-868-8165 - 郵船商事株式会社
広報室
Tel : 03-6803-7901
Email : info@nyk-trading.com
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